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なぜ社外から研修テキストを購入するのか

西村 伸郎(ジャイロ総合コンサルティング株式会社 取締役会長)

 

 

要約

●社外講師への研修委託は、優れた効果が見込める一方で、それなりのコストを要する

●社内人材が講師になる方法のメリットは、研修スキルの蓄積や研修実施の時間・場所の制約を低減できることにある

●外部から研修テキストを購入し、それをもとに社内人材が講師となって研修を行う方法は、コストを抑えつつ研修の質を高めることのできる、とても合理的なものといえる

 

 

外部に研修を委託する問題点

企業・団体のトップや人事部門が従業員への研修を考える場合、外部の研修会社に講師を派遣してもらうのが一般的です。もちろん、その企業・団体の固有技術やスキル習得が狙いなら社内講師も選択肢になりますが、その他多くの研修では、社外のプロ講師に研修を委託することが通常の流れです。

 

しかし、外部のプロ講師に研修を委託すると、それなりのコストを要します。1日の研修では一般には数十万円の費用に達します。企業・団体の規模によりますが、この費用は決して小さくありません。また折角、社外講師に研修を委託しても、その研修内容が期待するものとかけ離れてしまっていた場合は、これらにかけた費用と時間は無駄になったと悔やまざるを得ないでしょう。

 

社内講師の可能性を広げてみる

社外のプロ講師に研修を委託するのか、それとも社内人材だけで何とか研修を行うのかと悩ましいところですが、第三の道があります。この道が、外部から研修テキストを購入し、それをもとに社内人材が講師となって研修を行う方法です。社外のプロ講師に委託する場合と社内で研修を行う場合の、それぞれの「いいとこ取り」の道といえます。

 

社外講師に研修を委託する場合のメリットは、プロ講師が登壇するので一定レベル以上の講師としての品質が保証されますし、研修テキスト内容も優れたものが用意されます。ただし、費用がかかるのが難点です。社内人材が講師になる方法のメリットはコスト面以外に、社内人材の講師としてのスキルアップが図れること、さらに研修実施の際の時間や場所の制約が比較的小さいことになります。これは、一度に一か所に集まる集合型研修を開催しづらい場合でも、複数の社内講師が分担して出張するなどによって、多くの場所で研修の開催が可能となるからです。

 

社内講師が購入テキストで研修を行う場合の留意点

外部から研修テキストを購入して、社内講師がそのテキストを元に研修を行うことで、費用をかけずに何度でも研修を行うことができ、社内講師の研修スキルが蓄積できます。もちろん、このような効果を最大限に発揮させるためには、単に既存の研修テキストを購入してそのままに研修を行うのではなく、企業・団体が抱える研修目的に合わせて、研修テキストをカスタマイズすること、それにあたりそうした研修目的をしっかりと研修テキストの購入先に伝えることが前提になります。また、社内講師の研修スキルに不安があれば、講師となる社員に研修のトレーナーズ・トレーニングを受けさせることが必要になるでしょう。